【3分で読める】最新版!2026年3月発行「修学旅行の実施状況調査by全修協」をまとめました

公益財団法人全国修学旅行研究協会では、毎年「関東地区」「東海地区」「近畿地区」の3つのエリアの公立中学校を対象に、修学旅行の実施状況調査を実施されています。

本記事では、2026年3月に発行された「2025年(令和7年)度 修学旅行の実施状況調査」(PDFで計36ページ)を、たった3分で読めるように要約!

旅行費用の高騰やオーバーツーリズム、バスの確保といった人材不足など、現在の教育旅行の実態と将来に向けた展望を詳細に分析した内容となっておりますので、是非最後までご覧ください♪

*参照元:調査・研究報告|修学旅行ドットコム (shugakuryoko.com)

【3分で読める】2025年2月発行の「修学旅行の実施状況調査」をまとめました★ by(公財)全国修学旅行研究協会

調査研究のねらいと概要

修学旅行は、コロナ禍を経て2025年度には当初の計画通りに実施される本来の姿に戻りました。

しかし、「旅行費用の高騰」「オーバーツーリズム」「危機管理要請の強化」、さらに旅行業界の人手不足やマンパワーの減少といった深刻な課題が浮き彫りになっています。

本調査は、これらの実態を把握し、将来の修学旅行のあり方を検討するための一助とすることを目的としています。

調査時期: 2025(令和7)年6月~2025(令和7)年12月

調査対象:以下、三地区の公立中学校を対象

  • 関東地区5県(茨城・栃木・群馬・埼玉・千葉)
  • 東海地区3県(愛知・岐阜・三重)※愛知県は名古屋市を除く
  • 近畿地区2府4県(大阪・兵庫・京都・滋賀・奈良・和歌山)

回答状況調査対象3,150校に対し、3,067校から回答があり、回答率は97.4%と極めて高い水準でした。

2025(令和7)年度の修学旅行実施概況トピック

  • 実施状況:調査対象校のほとんど(3,027校)が「予定通り実施」                       関東は近畿方面への回帰が進み、東海では「大阪・関西万博」を旅行先に選ぶ動きが見られました。
  • 実施時期:酷暑などの影響で「秋」が増加                                    春季(4〜7月)が85.3%と主流ですが、9〜10月の実施が前年比で64校増加しました。
  • 実施期間:不動の「2泊3日」                                         98.5%が2泊3日を選択しており、この傾向に変化はありません。

方面と宿泊地について

  • 関東地区:91.8%が近畿方面(宿泊は京都府が最多)。
  • 東海地区:67.6%が関東方面(宿泊は千葉県、東京都が中心)。
  • 近畿地区:沖縄(29.9%)、関東(23.5%)、九州(18.4%)と分散。

旅行費用:全地区で上昇(前年比2,422円増)

総平均額72,242円(関東)/66,500円(東海)/64,184円(近畿)

→全体で2,422円増加し、70,000円〜75,000円の価格帯が最多(21.1%)となりました。

費用内訳(平均額)

  • 交通費(バス除):関東24,858円、東海13,908円、近畿21,129円。
  • 貸切バス代:東海(12,552円)と近畿(12,231円)が高め。
  • 宿泊費:関東が23,650円で最高。
  • 体験費:近畿(6,685円)と東海(6,022円)が高く、関東(3,075円)の約2倍。

修学旅行実施までに生じた問題ランキング

  1. 費用の高騰:73.8%(1,985校)
  2. 食物アレルギー対応:18.2%(489校)
  3. 主たる移動手段(バス)の確保:10.6%(284校)
  4. 希望宿泊場所の確保:9.4%(252校)
  5. 希望体験施設の確保:8.2%(221校)

→全回答校(2,691校)において、突出して多かったのは「費用の高騰」でした。

旅行費用の高騰は、経済的理由による不参加生徒の増加(前年比140名増)に直結しており、教育機会の平等という観点からも非常に深刻な事態であると分析されています。

また、アレルギー対応や安全確保など、教職員が担う業務量が膨大になっている現状も指摘されています。

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2026(令和8)年度 修学旅行契約における旅行会社選定の状況

選定の困難さ:全体の約18.3%が「困難」と回答

次年度の契約において、「選定が困難だった」と回答した学校は483校(18.3%)にのぼります。

地区別で見ると、東海地区(24.5%)や近畿地区(23.1%)において、関東地区(12.1%)よりも困難を感じている割合が高い傾向にあります。

主な困難の理由と背景(自由記述などの関連情報より)

  • 旅行会社の「疲弊」と人手不足:コロナ禍を経て旅行会社の営業拠点が集約されたり、担当者のマンパワーが減少したりしており、以前のような柔軟な調整が難しくなっています。
  • 小規模校の敬遠:採算性や添乗員の業務改善といった観点から、「小規模校の単独修学旅行」を辞退・撤退する旅行会社が出てきています。
  • 地域ぐるみの業務撤退:特定の自治体において、旅行会社から「来年度から(その地域の)修学旅行業務から撤退する」と宣告され、複数の中学校が合同で実施せざるを得なくなった深刻なケースも報告されています。

旅行会社の選定困難は、単なる事務手続きの問題に留まらず、学校単独での実施が困難になるなど、修学旅行のあり方そのものの見直し(合同実施や方面変更など)を迫る大きな要因となっています。

地区別】今後検討したい方面・地域(上位抜粋)

自由記述では、オーバーツーリズムの影響が少ない地域や、地元に近い地域、あるいは農業・漁業などの「体験型学習」ができる地域を重視して選び直したいという定番からの脱却模索が多く見られます。

また、単に遠くへ行くのではなく、保護者の経済的負担を抑えつつ、生徒の学びを最大化できる「費用対効果」の高い地域を模索する、持続可能性を追求する動きが強まっています。

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▼それでは、各エリアごとに傾向を見ていきましょう!

関東地区:依然として「京都・奈良」が強いが、北陸・東北への関心も高い

  • 京都・奈良:52.2%
  • 金沢・能登:29.0%
  • 東北:24.5%
  • その他、広島(14.8%)、北海道(14.7%)、大阪・神戸(13.1%)と続きます。

東海地区:都市圏への関心が際立つ(※愛知県を除く集計)

  • 東京・千葉・神奈川:49.1%
  • 大阪・兵庫:35.3%
  • 広島:31.9%
  • その他、四国(4.6%)、淡路島(4.0%)、伊豆・箱根・富士(3.4%)などが挙がっています。

近畿地区:関東・九州・沖縄の三つ巴

  • 関東:28.6%
  • 北九州:26.2%
  • 沖縄:26.0%
  • その他、中国地方(17.7%)、四国(17.3%)、北陸(15.8%)など、幅広い地域が検討対象となっています。

これからの修学旅行についての考え~修学旅行の新しいカタチとは~

各地区、様々な考えを自由に記述していただいた結果、「修学旅行の新しいカタチ(これからの修学旅行)」については、主に「旅費の高騰」「オーバーツーリズム」「教員の働き方改革」という3つの深刻な課題を背景として、現場から多岐にわたる提案がなされています。

次に、「これからの修学旅行についての考え」として、学校の先生が挙げた意見を大きく3つのカテゴリに分類しました。

  • 修学旅行の方向性に言及したもの
  • 実施期間の短縮、実施時期の変更に言及したもの
  • 旅行方面の変更に言及したもの

教育的な方向性への転換(探究・主体性)

従来の見学型・観光型から、生徒が自ら問いを立てる「探究型・課題解決型」へのシフトを求める意見が数多く寄せられています。

  • 生徒主体の企画と運営:「生徒が主体的に課題を設定し、体験し、学びを深めるプログラムを組み入れたい」、「生徒自身が行程を計画できるようにし、3年間の学習の総まとめとして位置づける」といった、企画段階から生徒を関与させる提案が目立ちます。
  • 個別最適な学びの導入:団体行動にこだわらず、「生徒の興味関心に応じたテーマ設定による選択コース制」や、行程の一部に「個別最適な学びが実現する学習機会」を設けるべきだという考えがあります。
  • 本物の体験・社会参画:「農業・林業・漁業等の第一次産業の体験学習」や、「中学生が市町とコラボして作ったものを現地で販売する」といった、自身の人生観や職業観を育むキャリア教育としての価値が重視されています。
  • 交流と発信:「現地の人々との人的交流や社会参画」、「現地での発信・発表の場」として修学旅行を捉え直す動きも見られます。

実施期間の短縮と時期の変更

「修学旅行は2泊3日」という固定概念を打破し、コスト削減と負担軽減を両立させるための具体的な提案がなされています。

  • 1泊2日への短縮:旅費高騰への現実的な対応として、「1泊2日で学習内容を凝縮し、高額な旅費を削減する」という意見が多く、東海地区では「小学校は日帰り2回、中学校は1泊2日」という新しいスタンダードを模索すべきだとの声があります。
  • 負担軽減のメリット:期間短縮は、保護者の経済的負担だけでなく、「集団生活に不適応な生徒への個別対応の負担軽減」や、「引率教員の負担軽減」にもつながると期待されています。
  • 時期の分散:混雑や酷暑を避けるため、「時期をずらして実施する」ことや、他行事との兼ね合いを考慮した柔軟な設定が提案されています。

3.旅行方面の再検討

オーバーツーリズムや費用対効果を鑑み、「定番地からの脱却」を模索する意見が顕著です。

  • 脱・京都・奈良:「インバウンドによる混雑で十分な学習ができない」現状から、「京都・奈良の定番修学旅行には限界がある」という危機感が示されています。
  • 地元・近隣の価値再発見:「学校所在地の近辺で実施できる体験型の旅行」や、「地元を知り、人との出会いにより学ぶ旅行」への移行が提案されています。実際に、近畿地区では交通費軽減と移動時間削減のため、「近畿2府4県に限定した修学旅行」という案も出ています。
  • 目的重視の選定:「場所ではなく、学習内容を重視し、オーバーツーリズムの影響が少ない地域を選択する」ことや、「経済的に負担の少ない条件で採用する」ことがこれからの選定基準として挙げられています。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

これらの提案は、従来の枠にとらわれない「検討と試行の時期」が到来していることを示しています。

教育的意義を守りつつ、現状の困難を乗り越えるためには、学校・保護者・行政・旅行会社が協働して新しいモデルを構築することが求められています。

次回は、修学旅行ではなく「2025(令和7)年度に実施した宿泊を伴う学校行事」について詳しく見ていきたいと思います!

最後までお読みいただきありがとうございました♪